遺族厚生年金の見直しにあたり、厚生労働省がその概要を公表しました
厚生労働省は、現在国会審議中の年金制度改正法案のうち、遺族厚生年金の見直しに対して様々な指摘が寄せられているのを受け、考え方や遺族厚生年金の見直しの概要について説明するページを設けました。(2025年6月3日)
主に以下4つの項目について説明されています。
遺族厚生年金の見直しの対象者について
見直しの施行直後に、「原則5年の有期給付」の対象となるのは、18歳年度末までの子どもがいない、2028年度末時点で40歳未満の女性であり、新たに対象となる30代の女性は推計で年間200人から300人程度と推計されるとしています。
一方で、施行直後から妻を亡くした18歳年度末までにある子のない男性(20代から50代)は、「新たに5年の有期給付が受給できる」ことになり、その対象者は推計で約1万6,000人とされています。
今回見直しをしても、影響を受けない方の範囲について
仮に今国会で遺族厚生年金の受給要件を見直しても、以下の方々はその影響を受けないとされています。
✔ 既に遺族厚生年金を受給している方
✔ 60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する方
✔ 18歳年度末までにある子のある方
✔ 2028年度に40歳以上になる女性
見直し後の5年の有期給付と継続給付について
有期給付の額に新たに加算(有期給付加算)が上乗せされることになり、5年有期給付の遺族厚生年金の額は現在の約1.3倍になるとされています。
そして、5年有期給付の終了後も、下記どちらかひとつ或いは二つに該当する方は、引き続き増額された遺族厚生年金を受給可能とされています。
✔ 障害状態にある方(障害年金受給権者)
✔ 収入が十分でない方
※ただし、収入について、単身の場合で就労収入で月額約10万円(年間122万円)以下の方は継続給付が全額支給されますが、そこから収入額が増えると年金額が調整され、概ね月収20万円から30万円を超えると継続給付は終了となるとのことです。
子どもがいるケースについて
子が18歳年度末になるまでは現行制度と同じであり、見直しの影響はない見通しとのことです。
子どもが18歳になった後は、さらに5年間は加算によって増額された有期給付+上記継続給付の対象となるとも記載があります。
遺族基礎年金の子の加算額が増額(年間約23.5万→年間約28万)となり、結果として給付額が増える見通しである旨の記載がなされています。
詳細は下記リンク先の厚生労働省公表資料をご確認ください。
【厚生労働省資料】遺族厚生年金の見直しについて
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